Obsidianでデータベースをつくる

経営者の方々は、データを貯めることとデータを活用することの重要性を、日頃から痛感されていることと思います。
研究者にとっても、それは大きな問題です。どうやってデータを貯めるべきなのか。どうやってデータを活用するべきなのか。
今回は、私がデータベースとして活用している「Obsidian」を紹介します。
Obsidianとは?
Obsidianとは、誰でも無料で使えるノートアプリです。
この記事では、私が考えるObsidianの特徴5つをご紹介します。
また、最後に、Obsidianをうまく扱うためのコツをお伝えします。
公式サイトはこちら!
1. Markdownファイルでデータを管理!
一つ目の特徴は、Markdownファイルでデータを管理できることです。
Markdownファイルというのは、こんな感じで、少しだけ拡張されたテキストファイルです。テキストファイルはまったく装飾がないただの文字列ですが、Markdownは「見出し」や「箇条書き」、「太字」、「強調」など、ごく簡単な構造化や装飾を含めることができます。
# h1の見出し
これはMarkdownで書かれた文書です。
## h2の見出し
- 箇条書き
- 箇条書き
- 箇条書き
### h3の見出し
1. 番号付きリスト
2. 番号付きリスト
マークダウンで管理すると、何が良いのか。
私が思うに、そのメリットは3つあります。
第一に、人間にとって可読性が高いです。上で示したマークダウンファイルは、Obsidianでは下のように表示されます。装飾のないテキストファイルよりも、格段に読みやすいです。

第二に、生成AIにとって可読性が高いです。マークダウンは、見出し記号やリスト記号、協調記号などによって構造化されています。加えて、一切の余計な情報がありません。そのため、生成AIは、テキストファイルやHTMLファイル、DOCXファイルよりも、Markdownと圧倒的に相性がよいのです。ほとんどの生成AIは、アウトプットにもMarkdown書式を用いています。
第三に、マークダウンでデータを管理していれば、いつでも他のサービスに移行できます。マークダウンは、Obsidianの独自規格ではなく、広く一般的に用いられているファイル形式です。そのため、もしObsidianよりも優れたノートアプリが登場すれば、いつでもそれに移行することができます。特定のアプリにロックインされないというのは大きなメリットです。
数値データになると話は変わりますが、大量の文書をデータとして保存するなら、マークダウンファイルを最有力候補として考えるべきでしょう。
2. ハイパーリンクでデータをつなげる!
ハイパーリンクでファイルを結びつけることができるのも、Obsidianの大きな特徴です。
ハイパーリンクというのは、文書と文書を結びつけるリンクです。その一番わかりやすい例は、Wikipediaだと思います。Wikipediaは、ひとつのページのなかにさまざまなリンクがつけられていて、たくさんの知識がネットワークを作っています。まるでWikipediaのような知識ネットワークを自分のパソコンのなかに作れるのがObsidianなのです。
ハイパーリンクを活用すれば、大量のデータやアイデアメモを、互いに結びつけながら保存することができます。知識や思考だけでなく、その「つながり」をも記録できるのは、研究を進めるうえでとてもありがたいことです。
知識ネットワークの成長記録

3. CanvasでKJ法ができる!
Obsidianには、真っ白なキャンバスに、ファイルを自由に配置できる機能があります。
Canvasでは、大量のファイルを配置するだけでなく、それを矢印で結び付けたり、グルーピングしたりして、ファイルの構造化を図ることができます。
私は、この機能を利用してKJ法を実践しています。データの蓄積と構造化を、ひとつのアプリケーションでできるのが、Obsidianのよいところです。
KJ法についてはこちら!

4. ローカル環境で動作する!
Obsidianは、ローカル環境で動作します。
ファイルはすべてローカルに保存され、インターネットに接続されていなくてもファイルの編集ができます。インターネットを介さないので、きわめて高速に動作します。
また、これからの時代は、生成AIがローカルファイルを参照したり、AIエージェントがローカルファイルを自動で編集したりするような時代になるはずです。だからこそ、データをローカルで保存しておくことは重要だと考えています。
ObsidianとAIエージェントを連携させているユーザーも、すでに多く存在しているようです。私自身は、後述の理由から、慎重な立場ではありますが。
5. プラグインで拡張できる!
Obsidianには、豊富なプラグイン(拡張機能)があります。
公式が用意したプラグインだけでなく、ユーザーが独自に開発したプラグインも多くあります。タスク管理やカレンダーなどの拡張機能もあるようです。
私自身は、ExcaliBrainというプラグインを活用しています。エクスカリバー(Excalibur)とかけたネーミングです。まあ、ネーミングはどうでもよいことです。
ExcaliBrainの主な機能は、ハイパーリンクに《意味》を持たせられることです。Obisidanの通常のハイパーリンクは、ただ「つながり」を示すだけで、どのような意味の「つながり」なのかは表すことができません。それに対して、ExcaliBrainを用いると、「親子関係」や「対立関係」といった《意味》をハイパーリンクに持たせることができるようになります。
なお、ExcaliBrainが動作するためには、DataviewとExcalidrawという2つのプラグインが必須ですので、ご注意ください。あらかじめDataviewとExcalidrawをインストールし、有効化したうえで、ExcaliBrainを有効化する必要があります。
ExcaliBrainについてはこちら!

Obsidianをうまく扱うためのコツ
最後に、Obsidianをうまく扱うためのコツを書いておきます。
これはあくまで、私なりのコツです。
私は、以下の3つを重視しています。
- 目的を定める
- 無駄なファイルを作らない
- 無駄なハイパーリンクを作らない
第一に、目的を定めること。
何のためにObsidianで知識ネットワークを作るのか。ここがブレると、Obsidianは「知識の不良在庫」になります。世の中には、AIで情報を収集して何でもかんでもObsidianにぶちこむユーザーもいるようですが、それではObsidianを活用できていないと思います。
知識の不良在庫化を防ぐためには、やはり目的を最初に定めておくべきです。逆に言えば、目的がないのであれば、Obsidianを使う必要はありません。Obsidianを使うこと自体が目的になってしまうと、たいてい不幸な結果を招きます。
第二に、無駄なファイルを作らないこと。
ファイルはAIで整理できると思っていると、無駄なファイルがどんどん増えていきます。しかし、そうすると、有用な情報の密度が下がってしまうのです。Obsidianを活用するうえで重要なのは、有用な情報の密度を保つことです。不要な情報が増えて、有用な情報の密度が下がってしまうと、Obsidianの全体が「知識の不良在庫」になってしまいます。
第三に、無駄なハイパーリンクを作らないこと。
これも結局、「知識の不良在庫」を生みださないための工夫です。ハイパーリンクはたしかに便利な機能ですが、これをやりすぎてしまうとデータが絡まってしまいます。イメージは、茹でてから1時間くらい放置したパスタです。これでは美味しくないでしょう。
Obisidianは、無限の広さを持つ倉庫です。
だからこそ、その倉庫を有効に活用する必要があります。無限の広さがあるからと言って、何でもかんでも情報を投げ込めば、その倉庫は「ゴミ屋敷」となってしまいます。
知識を不良在庫にしないためには、①目的を定める、②無駄なファイルを作らない、③無駄なハイパーリンクを作らない、という3つの工夫が必要なのです。
皆さんも、よいObsidianライフを!
